餡とコーヒー

和菓子とコーヒーに癒されるひとりが書いています。

明治生まれの祖母

今週のお題「私のおじいちゃん、おばあちゃん」について書きます。

 

私のお爺さんは、小さいころの私が入れそうなくらい大きな仏壇の中で、

白い髭を生やしてこっちを睨んでいる人だった。

 

お婆ちゃんは皺々の顔で背も丸まっていたけれど、しっかりした印象の人だった。

明治生まれのお婆ちゃんは累計11人の子どもを産んだ。

ちなみに父はそのうちの三男だ。

 

私はお婆ちゃん子ではなかった。

お婆ちゃんはとても遠い存在だった。

 

生意気でひねくれていた小学六年生の時、少しだけお婆ちゃんと同居したことがある。

お婆ちゃんに構わず、ファミコンに熱中している私を見てどう思っていたのだろう。

機械のような悲しい子どもだと思われていたのかもしれない。

 

いつも厳しい母ですら、畏れていたお婆ちゃんだ。

口を閉ざしていても女性として威厳のある存在だったのだろう。

 

冬には綺麗な朱色で、お布団のような分厚い半纏を縫ってくれた。

寒い夜でも勉強するのに暖かかった。

 

自分の殻に閉じこもっていた私は、

お婆ちゃんと話したりしなかった。

話し方がわからなかった。

どう接したらいいのかわからなかった。

 

インスタントのお味噌汁に慣れていたその頃、

お婆ちゃんが出汁でとったお味噌汁を不味いと言ってしまった。

 

丸いくしゃくしゃの顔で

餡ちゃん!

と、大きい声で私を呼んでいたのを覚えている。