鳶の人
真向かいの工事現場で鉄骨建て方が始まった。
今日も鳶職の方々が意気揚々と仕事されてる。
それなりの機械音がしたり衝突音やけたたましい笑い声が聞こえてくると、頭を抱えたくなる。
ここで住人の怒りの矛先は、笑い声に向かうのが容易だ。
理由は機械音や衝突音には怒れないからだ。
外から笑い声が聞こえただけで、高いところから覗かれてるのではないかと被害妄想的な感覚にさえ陥る。
以下は私の中の図式だ。
足場組みor解体→鳶職→うるさい
しかしよく見れば、重労働仕事でチームワークが要され、一つ間違えば大事故になる危険が伴う仕事だ。
大声や笑い声に他意なんて、もちろんないだろうし、見たまま聞いたまま笑ったり怒ったりしてるのだろう。
江戸時代では火事場の火消しも兼任していた。老舗の鳶は神社の氏子として受け継がれている。
高い所を動き回るから「現場の華」と呼ばれているそうだ。
私は職業に優劣は無いと教えられてきた。
世の中には、どんなに学があっても、名声が高くても、人間として歪んでる人が多いものだ。
はっきり言って人間として見れば弁護士と彼らだって大差ないはずだ。
彼らのプロフェッショナル性に憧れすら持っている。
確かに、鳶職の人たちは町に突然現れたヤンキー集団のように目立つし、はた迷惑な存在かもしれない。
しかし、プロ集団をうるさいとは言ってはいけませんね。
今日も無事に終わるのだろうか。
16:30
いつものやかましさがフェードアウトしだす時間になった。
私の愚痴も収束に向かう。
皆さんお疲れ様でした。
ああ、静かになった。