フィールド
至極当然な話だけど、
15歳の女の子がすぐにでも一般事務のOLになるのが無理なように、
40歳の女性がアイドル歌手を目指すのがどだい無理なように、
其々の本分があるのだ。
私はさっきまで違うフィールドで違う試合に出ていた。
走っても走っても、
罵られても、転んでも、
聴衆は「おーい、間違えてるよ!」
なんて誰も教えてくれない。
私の勘違いは大量の汗水となって体内から流れ落ちた。
私は、昔からありながら避けて通ってきたフィールドを見た。
本当のフィールドは憧れでもなんでもない。さすがに認めなければ。
認めて初めて、
努力し鍛錬し挑戦できるのかもしれない。
怠惰なのも認める。
目先の楽しいこと、
簡単なことをこなして生きていこうと思っていた。
教えてあげるよ。
それって実は倒すべき敵のための生き方なんだよね。
自分のために
改めて、大きく深呼吸する。
目の前に広がるフィールドは
青々とした芝生だろうが、
荒涼としたラフだろうが、
背筋を伸ばして駆け出そう。
誰のためでもない、
私のために。