餡とコーヒー

和菓子とコーヒーに癒されるひとりが書いています。

生かさない

私は生かすことが苦手だ。

 

持っている品物を役立て生かす、

自分の経験を生かす、

人脈を広げて生かす、

 

これらが出来たらなんて素晴らしいんだろうって側から眺めている。

大して焦るわけでもなく、

そう、恐ろしいほど私は無頓着に過ごしている。

 

つまり私は、もう持っているのにも関わらず、塩漬けにして生殺している状態なのだ。

 

これまでの私の個性が内側で肥大化する中で、

実社会での適応力が乏しいことに落ち込む。

 

生かしていないから落ち込んでいるのかもしれない。

そのことすら気付けず、無頓着に食べ息をしている。

 

 

寄り道

寄り道の誘惑と戦っています。
以前の奔放な生活の中で染み付いた寄り道癖です。
この出費がトータルでかなりかさむ事から、今ではなるべく寄り道を控えようとしています。
通勤途中のカフェやファーストフードの誘惑は強敵です。
今日は気の緩みで駅のカフェに入ってしまいました。

生クリームカスタードのパンとコーヒーがとても美味しかったです。

そのまま満足していればいいのに、食べてしまうといつもの手持ち無沙汰に戻ってしまうのが勿体無い気持ちになります。

なのでこのブログアプリを起こして書くことにしました。

後ろめたく入ったカフェでも、ここで食べたつめたく冷やされた生クリームカスタードパンに出会えて嬉しかったです。

岡山で昭和34年創業の清水屋の生クリームパンとブラックコーヒーが心に残りました。

上手くまとまりませんでしたが、寄り道が好きなのは否めないと言いたかったのかもしれません。

 

一昨年のコーヒー豆

その時は新鮮で渋谷で買ったコーヒー豆だった。

私は残り少なくなったのを放置していた。

 

その存在を無視していたが、捨てることも出来ないので先ほど挽いて飲んでみた。

 

気になる臭いが鼻をついたが、味は変わってなく爽やかな飲みごたえだった。

 

嗅覚というのは慣れると気にならなくなる。

 

そのせいなのか臭いが気にならなくなると、飲みやすいコーヒーとして楽しめた。

 

捨てずに飲めて良かったと思う。

 

これからまた新しい豆を買ったり、お店の人と話したりと先に進めるような気がする。

 

 

 

 

 

味の表現

特にミシュランなど美食の世界には興味は無いので、

別の目線で食べ物のもつ複雑な味の表現方法を試みたいと思う。

 

【谷中生姜】

テーマ

齧った時の苦味と辛味、青臭さ

 

本文

齧った瞬間に弾けた谷中生姜の水分が私の舌を刺した。

鋭いその辛さは、さっきまで生きていた事を表すかのように青々とした苦味を含んでいた。

噛むごとに耐え難い辛さが口の中に広がると、10代の子どもに理不尽だと泣き叫ばれているように切なくなった。

しかし私は奥歯ですり潰した。無感動な大人を装って谷中生姜の辛味を味わい、いただいた。

 

朝寝坊

早く寝た日に限って、遅く起きてしまった。

自分に裏切られたような朝を迎えた。

出発時刻まであと30分。

シャワーをあきらめた。

 

それでも頭がスッキリしていて、

鼻歌交じりに急ぎ歩いた。

アドレナリン入りの缶コーヒーを飲んだ。

 

今日はどんな日になるかな。

焦らず、慌てず失敗しないようにしよう。

気持ちばかりにならないように、いつもより落ち着こう。

 

大丈夫。

少なくとも遅刻しなかったから、良しとしよう。

 

 

ああ、もう朝か

おなかすいた

あれ?おなかすいてるのか?

いや、食べたくない

ああでも空腹感はある

なんだろう、食べなくてもいけるか

ちょっと面倒くさい

二度寝しちゃおうか

それともご飯を炊いて、お味噌汁とメザシを焼いて…

ああやっぱり美味しそうだ

やれやれ起きるか

おなかすいた

 

 

瓶詰め

台所の隅に一つの瓶詰めがある。

 

長い間放置されたため底に澱が溜まっている。

 

それは少しの哀しさと諦めが抽出されたようなもの。

 

開けられることのないそれは、内容する役割を完全に無視されてしまった。

 

そのまま朽ちてゆく存在となったものを抱えひたすら時を待つ。

 

「いつ開放されるんだろうなあ、怒りはとっくに過ぎたけど。

 

どうせその後に割られるか資源ごみに出されるのがオチだろ。

 

持ち主はかなりルーズだけど、良心の類はまだ有るみたいだ」

 

そうやってしばらく考えてるみたいだった。

 

 

「ちっ。も少し信じてやるか」

 

溜息のように澱を揺らし、

瓶はひっそりと運命を受け入れた。