餡とコーヒー

和菓子とコーヒーに癒されるひとりが書いています。

細長い空

それは狭い領域かもしれない

ただ、その向こうは果てしなく続いている。

 

高く遠いその長方形は、

私が息をつける領域で、

刻一刻と表情を変える美しい領域。

 

鳥や飛行機も登場したり、

燦然と輝く月や星を見つけられる。

 

ロケットや魔女の箒も良いけれど、

私はここから見るのが好き。

 

 

小さい頃から

ずっと見上げてきた空。

 

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紅茶

本当はドトールだって
セブンイレブンのコーヒーだっていい。

 

昼下がりの交差点近くにある

マリアージュフレール

 

いま、私1人の時間を過ごすために

来た。

 

これはかつて贅沢と咎められた行動なんです。

 

けどこれからは

 

私は私のために、

お茶を飲む場所を選択できるのよ。

 

 

 

 

咀嚼

自分のためにごはんを作っても
大して意味がないと思っていた。
むしろ無駄だとさえ思っていた。

誰かのために多少の気持ちを込めて作る事に意味があるのだと。

今夜1人いつものようにコンビニに向かう支度をしようと家の中を歩いている時に、

ふと2日前の出来事を思い出した。

それは私のごちゃごちゃとした記憶の引き出しに埋もれようとしている1枚だった。

「私にお終いがある事」

(誤解のないように補足すると、必要な記憶は引き出しの中を探せば出てくる。引き出しがごちゃ混ぜなのだ)

お終いがあるからこそ、
一日、一時を大切にできる。

2日前に知ったことだ。

あ、そーか。
それなら自分のために心を込めて作ったっていいじゃん。

と、のろのろと台所に向かい
鶏肉クリームソースのパスタを作った。

ふむふむと咀嚼していると、
あながち無駄ではない事に気づいた。

誰も関係なくて、
だからなのか
何だか気持ちが楽で、
どこにいるより自由だった。

あれ?
何だこれ…


自分のために食事を用意し、
食べ、片付ける。


可笑しいことに、
私が無駄だと決めていた事は、
実は私が追い求めていた生き方なのかもしれない。


もしかしたら、
こういうのが自立なのかも。

 

 

 

湿気

私はO型のくせに、細かい事を気にする。

 

どれくらい細かい事かっていうと

役所型の接客をする、高慢な受付のアラをつき、怒り泣きさせる程度かもしれない。

 

または、とある会合で穏やかな初老の男性を本気で怒らせてしまう程の痛い指摘をしてしまった事もある。

 

もちろん意図してそうしてるのではない。

怒らせよう泣かせようと意地悪をする労力は持ち合わせていない。

 

いつも

やっちゃった…と凹む。

 

でも気づいてしまうし、

気づくが故に自分自身が傷つく時も多々ある。

 

相談者は、それも個性だという。

 

胸を張って歩こうとするが、

その自分に向けられる

常識という白い目に気づき、

俯く。

 

やれやれ…

それにしても

 

このまとわりつく湿気の中では疲れるよ。

 

 

宝箱

私にはこれしかない

今まで選べると思っていたけど
何となく分かっていたけど

やっぱりそれは違ったらしい
探す石はそこには無いのだ

小さじ一杯の勇気を加えて
拡げることにする

原石だらけの
私の宝箱を

磨くのはいつだって出来る

 

女友達

久しぶりに会った友人を家に泊めた。

このコはバイトの同期で、初め会った時から強引でやけに人を型にはめる話ぶりが嫌だった。

でも、あとで気づいた。

いつも明るく感情豊かで素直な性格に、休憩時間のたびに癒されていたんだ、と。それから見る目が変わった。

…実際は仕事内容の愚痴だとか世間話だとか噂話の弾丸トークなのだから、疲れてるはずなのだけど。

 

ある時、私が悩みを話すと応えるように自分の経験を話してくれた。

それだけなのに、なんだか分かり合えた気がして嬉しかった。

 

私は過度に人に気を使う欠点がある。

それは、簡単にいうと状況がわからないからなのだけど、たいていは長時間一緒にいる人を疲れさせてしまうらしい。

(此方だって数倍疲れるわけなのだけど)

 

その日もシャワーの順番などで少しギクシャクしたけれど、次の日の朝食を食べながら、いつものように明るく言いたい事を言っていた。

 

言えそうだったから欠点の部分を伝えると、そのコは

"もっと図々しくならなきゃダメだよ"

と言った。

いい奴だと思った。

駅までの途中にある公園のあじさいを見せると喜んでいた。

"また懲りずに来てね"

と、笑顔で送ることができた。

何だか来てくれたのが本当にありがたかった。

 

私は同性の友達が少なく、少ないから特に仲良くなると嬉しくて、家に泊めておもてなししようとして失敗する。

過去にも5回ほど失敗かつ疲労している。

 

付き合い下手な奴、と読む人は思うかもしれない。ホントそうだ。

同性との人間づきあい方、どっかに書いてないですかね(^^;;

 

 

 

鳶の人

真向かいの工事現場で鉄骨建て方が始まった。

今日も鳶職の方々が意気揚々と仕事されてる。

それなりの機械音がしたり衝突音やけたたましい笑い声が聞こえてくると、頭を抱えたくなる。

ここで住人の怒りの矛先は、笑い声に向かうのが容易だ。

理由は機械音や衝突音には怒れないからだ。

外から笑い声が聞こえただけで、高いところから覗かれてるのではないかと被害妄想的な感覚にさえ陥る。

 
以下は私の中の図式だ。

足場組みor解体→鳶職→うるさい

 

しかしよく見れば、重労働仕事でチームワークが要され、一つ間違えば大事故になる危険が伴う仕事だ。

 

大声や笑い声に他意なんて、もちろんないだろうし、見たまま聞いたまま笑ったり怒ったりしてるのだろう。

 

江戸時代では火事場の火消しも兼任していた。老舗の鳶は神社の氏子として受け継がれている。

高い所を動き回るから「現場の華」と呼ばれているそうだ。

 

私は職業に優劣は無いと教えられてきた。

世の中には、どんなに学があっても、名声が高くても、人間として歪んでる人が多いものだ。

 

はっきり言って人間として見れば弁護士と彼らだって大差ないはずだ。

 

彼らのプロフェッショナル性に憧れすら持っている。

確かに、鳶職の人たちは町に突然現れたヤンキー集団のように目立つし、はた迷惑な存在かもしれない。

 

しかし、プロ集団をうるさいとは言ってはいけませんね。

 

今日も無事に終わるのだろうか。
16:30
いつものやかましさがフェードアウトしだす時間になった。

私の愚痴も収束に向かう。

 

皆さんお疲れ様でした。
ああ、静かになった。